華族の令嬢と殺し屋の青年、本来なら交わるはずのない二人の恋模様を描いた作品「ホタルの嫁入り」。
冒頭シーンの誰だか分からない老人、何か深い意味が込められていそうなタイトル・・・とまだまだ謎の多い作品です。
ファンの間でも、冒頭で登場する老人はいったい誰なのか、多くの考察が飛び交っていますね。
また、「ホタルの嫁入り」というタイトルにはいったいどんな意味が込められているのかも気になります。
そこで今回は、「冒頭の老人は誰なのか」「タイトルの意味」この2つの謎を、深堀り考察していきたいと思います♪
Contents
ホタルの嫁入りの冒頭の老人は誰?
「ホタルの嫁入り」は、明治時代の華族令嬢・桐ケ谷紗登子と、雇われの殺し屋・後藤進平を中心としたラブサスペンス。
美しさと教養を併せ持つ紗登子は心臓に病を抱えており、愛して育ててくれた父に恩返しするため、家のためになる結婚を望んでいます。
しかしそんな紗登子に待っていたのは、ある日突然誘拐された先での、殺し屋・後藤進平との出会い。
生きて家に帰るため紗登子が進平に提案したのは、自分と婚約することで手に入る桐ケ谷家の財産を対価に命を助けてもらうことでした。
ここから二人の逃避行が始まるのですが、この物語が始まる直前、プロローグの部分に謎めいたシーンがあるのです。
それは着物姿の謎の老人が手紙を読みながら涙を流すシーン。
老人は顎から上が描かれることはなく、後ろ姿だけでは性別も分かりません。
老人は、ホタルの飛び交う森のような場所で、一通の手紙を読んでいます。
手紙には以下のような文章が書かれていました。
「女は家の財産であり交換や贈与の対象」
「結婚に意志など持ってはいけない」
なのに私は自分の意志で愛してはいけない人を愛してしまいました。
どんな終わり方を迎えても心から言えます。
私はとても幸せでした。
引用:ホタルの嫁入り1巻冒頭
手紙の内容から、これはおそらく紗登子が書いたものではないかと考えられます。
では、この手紙を読む老人はいったい何者なのでしょうか?
ホタルの嫁入りの冒頭の老人は誰?を考察:後藤進平
謎の老人の正体、一人目の候補は、紗登子と婚約を結んで命を救ってくれた殺し屋・後藤進平です。
冒頭の老人は後藤進平が年を取った後の姿なのでは、という考察になります。
心臓病を患っていた紗登子に先立たれ、年老いた頃に紗登子が生前に書いた手紙を発見し涙している、という様子に見えますよね。
進平は自他ともに認める愛が重すぎる男で、紗登子に婚約を持ち掛けられた時から「一生守る」「愛してる」と周りをはばからず紗登子に伝えています。
そんな進平が無事紗登子と添い遂げた後、体の弱い紗登子を看取ったとすると、紗登子の残した手紙を読んで涙するのも頷けますね。
また、老人=進平であるという推測理由の一つとして、老人がホタルのいる場所で手紙を読んでいることが挙げられます。
進平は紗登子をホタルのいる川辺に連れて行ったことがあるため、もしここがその川辺なら、老人は思い出の場所に来た進平の可能性はあるかもしれません。
ホタルの嫁入りの冒頭の老人は誰?を考察:沙都子の父親
次に紹介するのは、老人は年老いた紗登子の父親という説です。
この説が一番スタンダートな考察ですね。
紗登子の父は、裕福な華族らしくふくよかで、大きな口ひげが特徴の優しそうな人物です。
対して、冒頭の老人はかなり痩せており、見た目だけではあまり共通点はなさそう・・・。
しかし、最愛の娘である紗登子が誘拐されてしまっているので、その心労から体を壊し痩せてしまったと考えると、かなり可能性は高い気がします。
また手紙を紗登子が書いたとするなら、紗登子の父がそれを読んでいても全く不思議ではありません。
冒頭の老人が紗登子の父親であるという考察はかなり的を射ているのではないでしょうか?
ただ「ホタルの嫁入り」はまだ回収されていない伏線も多く、冒頭の老人=紗登子の父というのはあまりにも単純なのでは・・・とも思ってしまいますね。
ホタルの嫁入りの冒頭の老人は誰?を考察:桐ヶ谷沙都子
最後に紹介するのは、冒頭の老人の正体が紗登子の年老いた姿なのではないか、という説です。
漫画冒頭で描かれている姿だけでは、老人の性別はなかなか判別できないため、女性である紗登子の可能性もないとは言い切れませんよね。
紗登子は心臓が悪く長くは生きられないと言われていますが、作中で進平に対し「その心臓を私にくださらない?」という発言をしています。
紗登子としては本気半分、からかってくる進平への意趣返し半分の台詞だったのかもしれません。
しかし進平が紗登子を溺愛しているのは、最初の数話を読んだだけでもよく分かります。
進平が紗登子を生かすため、本当に自分の心臓をあげてしまうこともありえなくないのではないでしょうか?
またホタルのいる場所は紗登子にとっても思い出の場所のはず。
進平の心臓によって生き残った紗登子が、誰かに宛てて書いた手紙を読み返しながら、進平を想って涙している様子なのかもしれません。
ホタルの嫁入りの冒頭の老人が読んでいた手紙の意味を考察
冒頭で老人が読んでいた手紙、これはいったい誰宛てで、いつ書き綴られたものなのでしょうか?
手紙の内容から考えると、これは高い確率で、紗登子が自分の父親に宛てて書いた手紙だと考えられます。
手紙にある「女は家の財産」「結婚に意志を持ってはいけない」という文言は、華族の出身だからこそ出てくる言葉であり、華族独自の常識です。
ですから、平民である進平や桐ケ谷家以外の人に対する手紙とは考えにくいでしょう。
また紗登子は、桐ケ谷家では父親以外との仲はあまり良いとは言えません。
そのため紗登子が自分の意志で人を愛したこと、幸せだったことを伝えたい相手は、自分を愛してくれた父親と考えるのが妥当です。
手紙の書かれた時期はあいまいですが、紗登子が誘拐犯から逃げ切った後から死ぬまでの間であると考えられます。
少なくとも、紗登子が誰かを愛し、添い遂げる覚悟をした時だということは間違いなさそうです。
紗登子が余命宣告通りに若くして死ぬのなら、生き別れとなってしまう父親へ向けて、最期の手紙をしたためたのかもしれませんね。
ホタルの嫁入りのタイトルの意味も考察
漫画のタイトル「ホタルの嫁入り」に込められた意味は何なのかも気になるところですよね。
ストーリーから考えると、「嫁入り」はおそらく紗登子の結婚のことを表していると考えてよいのではないかと思います。
だとすれば、「ホタル」は一体何のことを指すのでしょうか?
ストレートに考えると、ホタルは紗登子のことを表しているのではないかと思われます。
第2巻9話には、体調が悪く外に出られない紗登子のために、進平が室内にホタルを放し慰める場面が描かれています。
自由に飛び回るホタルを見せながら「どこにいたって俺が紗登子を自由にしてあげる」と告げる進平の、愛情深さが垣間見える名シーンです。
このシーンからは、ホタルに紗登子を投影していることが伺えます。
また、もしホタル=紗登子なのだとしたら、冒頭シーンで老人の周りを飛んでいるホタルにも深い意味が見えてくる気がしますよね。
総合すると「ホタルの嫁入り」とは、紗登子の結婚を表しているのではないでしょうか。
ホタルと沙都子に見られる共通点
ホタル=紗登子と考えられる理由として、ホタルと紗登子の間にある多くの共通点があります。
まず一つが、美しさを持っている点です。
ホタルが暗闇の中で飛び交っている様子は、まるで小さな星が舞い踊っているような上品な美しさがありますよね。
紗登子も華族の令嬢として、誰もが羨む美貌を持っており、美しい舞を披露するシーンも描かれています。
ホタルと紗登子に共通しているのは、その儚げな美しさなのです。
もうひとつの共通点としては、その命の短さが挙げられます。
ホタルは清らかな場所で美しい光を身にまとい飛び立ちますが、生きられる期間はほんのわずかです。
紗登子もまた、心臓の病により余命が短いとされています。
このようにホタルと紗登子の共通点が多くあるため、先ほど考察したように、タイトルの「ホタル」は紗登子のことだと考えて差し支えないのではないでしょうか。
まとめ
「ホタルの嫁入り」の冒頭の老人は誰なのか、タイトルの意味など気になるところがたくさんありますよね!
この謎が明かされるまでは、いろいろと考察がはかどってしまいます♪
冒頭の老人の正体とタイトルの意味について考えるだけで、今後の展開に期待が高まります!
そして今回紹介した考察にも、さらなる進展があるかもしれません。
誰もが最新話の更新を楽しみにしている「ホタルの嫁入り」を、わくわくしながら続きを待とうと思います♪